CIRASの沿革と目的

CIRASとは?

CIRASは、Center for Information Resources of Area Studiesの略称であり、共同利用・共同研究拠点「地域情報資源の共有化と相関型地域研究の推進拠点」を運営するために京都大学東南アジア地域研究研究所内に設置された附属センターです。
共同利用・共同研究拠点「地域情報資源の共有化と相関型地域研究の推進拠点」は元来2010年度より旧・京都大学地域研究統合情報センター(CIAS = Center for Integrated Area Studies)が運営主体でしたが、同センターと旧・京都大学東南アジア研究所との統合に伴い、統合後の京都大学東南アジア地域研究研究所(CSEAS = Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University)がこれを引き継ぎました。このため同研究所では現在、CIRASとIPCR(International Program of Collaborative Research)のふたつの附属センターによりふたつの共同利用・共同研究拠点を運営しています。

 

「地域研究情報資源の統合と共有化」とは?

地域研究に関わる資料は文字・画像・動画・音声など多様であり、しかも多くは複数の研究機関に分散して所蔵されています。このように多様かつ分散している研究資料を情報学の手法を用いて統合し、研究者をはじめとする地域に関わる人々の利用に供することが「地域研究情報資源の統合と共有化」です。CIRASでは、CIASの活動を引き継ぎ、所蔵資料を中心として多様な資料のデータベース公開を進めています。また、その過程で蓄積されたデジタル化やデータ作成に関する経験の共有を講習会等により進めています。さらに、ネットワーク上に分散している研究機関のデータベースの統合と共有化を目指した「地域研究資源共有化データベース」を公開しています。

 

「相関地域研究」とは?

 一方、国境や文化圏を越えるヒト・カネ・モノの量・速度が増大している今日、一地域の変動は直ちに周辺地域あるいは全世界に波及します。地域の理解を目的とする地域研究は、グローバルとローカルをリンクしながら地域をデザインする学問への脱皮を迫られています。そのためには、比較を通じて地域の個性を把握するとともに、各地域がどのように関わりあいながら世界を構成しているかという研究の視点が不可欠です。この「比較」と「関係性」の二つをキーワードとした比較研究の試みが「相関型地域研究」です。このような研究を進めるには共同研究が不可欠です。CIRASでは、共同利用・共同研究拠点として、公募制の共同研究を推進しています。

 

「地域情報学プロジェクト」の展開

「地域研究情報資源の統合と共有化」による情報学システムの成果を、「相関型地域研究の推進」に積極的に応用することを目指して、CIASは2010年度に地域情報学プロジェクトを発足させました。共同研究等による成果のデータベース公開を支援するMyデータベースシステムの提供、それを利用した災害復興マッピングデータベースの公開やフィールドノートマルチメディアデータベースの公開など、他の地域研究機関にはない独自の成果を上げており、CIRASはこれを引き継いで活動を展開しています。

 

 CIASは、情報システムによるネットワークと共同研究に関わる人々によるネットワークに支えられて、共同利用・共同研究拠点としての責務を果たすとともに、独創的な地域研究を展開して参りました。CIRASがこのCIASの成果を継承し、さらに発展させて行くには、地域研究コミュニティーの皆様とのより緊密な連携・協働が不可欠です。ますますのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

 

2017年9月
センター長 村上勇介