ワークショップ「強権政治のいま─東南アジアとラテンアメリカの事例から─」(3月29日)

近年、世界各地で自由民主主義が後退/崩壊する例が増えていることが指摘されている。民意により選ばれた政権が自派ではない勢力の政治参加や自派の立場とは異なる報道を制限・封殺するなどの政治的・市民的自由を制限したり、司法権に介入してその独立を損ない権力の集中化をはかるといった三権分立や法の支配を浸蝕する行為に及ぶ。そうした非民主的な性格を持つ政権は、直観的には有権者からの支持を受けないと思われがちだが、必ずしもそうはならない。逆に、そうした強権的な政治を行う政権が人々の支持を集めたり、中長期に存続する場合もみられる。
 本ワークショップでは、東南アジアとラテンアメリカから2つの代表的な国(タイ、フィリピン、ボリビア、ベネズエラ)に焦点を合わせ、自由民主主義が後退/崩壊する原因を分析し、強権政治が支持され、存続する背景や過程を考察する。そして、地域内、そして地域間での共通性と相違点について検討をおこなう。また、「ポピュリズム」という概念との関連についても考える。

日時: 2019年3月29日(金) 13:30~17:20
開催場所: 京都大学稲盛財団記念館3階小会議室Ⅱ
プログラム:
13:30-13:35 趣旨説明 村上勇介(京都大学)
第一部 東南アジア
13:35-14:20 外山文子(京都大学)
「反動としての強権政治と民主化からの逸脱―タックシン政権以降のタイ」
        
14:20-15:05 日下渉(名古屋大学)
「『例外状態』における『義賊』の正統性──ドゥテルテの政権下のフィリピン」
休憩: 15:05-15:20
第二部 ラテンアメリカ
15:20-16:05 岡田勇(名古屋大学)
「長期政権下での支持基盤と正統性の変遷─エボ・モラレス政権下のボリビア」
           
16:05-16:50 村上勇介
「民主主義崩壊の典型としてのベネズエラ─チャベス政権の誕生からマドゥロ政権の動揺までの過程」
16:50-17:20 総合討論

主催:*京都大学東南アジア地域研究研究所環太平洋研究ハブ形成拠点
*京都大学東南アジア地域研究研究所CIRAS共同利用共同研究・複合ユニット「秩序再編の地域連関」
共催:*同統括プロジェクト企画研究「アジア太平洋地域における変動動態と21世紀秩序の構築」

ご参加希望の方は、CIRASセンター(ciras【at】cseas.kyoto-u.ac.jp 【at】を@に変更してください)までお知らせください。

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