報告:「現代ムスリム社会における風紀・暴力・統治についての多角的分析」第3回研究会

タイトル

「現代ムスリム社会における風紀・暴力・統治についての多角的分析」第3回研究会

ユニット名

社会主義を経たイスラーム地域のジェンダー・家族・モダニティ―中東イスラーム地域研究との架橋をめざして(共催)

代表者

帯谷知可(京都大学東南アジア地域研究研究所)

開催日

2017年10月14日(土)

開催地

早稲田大学早稲田キャンパス9号館558教室

概要

【日時】2017年10月14日15:00~18:00
【プログラム】
研究報告1
報告題:「『風紀』はどうつくられるのか:ムスリム女性の装いをめぐる事例から」
報告者:後藤絵美(東京大学)
研究報告2
報告題:「モールとムタワ、そして国家:サウジアラビアの事例から」
報告者:辻上奈美江(東京大学)
コメント
帯谷知可(京都大学)
中山紀子(中部大学)
質疑応答

【概要】
後藤報告は、ムスリム女性の装いに関連して、一定の「風紀」が国家権力によって急激につくられたイスラーム革命直後のイランと、大衆側から緩やかにつくられたエジプトの事例を比較する形で取り上げ、「風紀」生成のプロセスの事例として検討した。
辻上報告は、サウジアラビアの女性の唯一の「公共空間」とも言えるショッピング・モールを舞台に、風紀を取り締まる宗教警察ムタワの活動とその変化、近年の女性を取り巻く状況の変化を取り上げ、風紀取り締まりと国家との関係について考察した。その後のコメントおよび質疑応答においては、「風紀」をどのように定義すべきか、風紀とジェンダーやセクシュアリティはどのような関係にあるか、社会主義圏においてはイスラーム地域であってもイスラーム的なものを是としない風紀のあり方も存在する、当該地域においてイスラームを主軸にすえない風紀のあり方は検討可能かなどの論点が出され、活発な議論が行われた。

 

 

「現代ムスリム社会における風紀・暴力・統治についての多角的分析」第3回研究会

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