報告:第2回「ミクロヒストリーから照射する越境・葛藤の共生の動態に関する比較研究」研究会

タイトル

第2回「ミクロヒストリーから照射する越境・葛藤の共生の動態に関する比較研究」研究会

ユニット名

ミクロヒストリーから照射する越境・葛藤の共生の動態に関する比較研究

代表者

王柳蘭(同志社大学)

開催日

2017年10月7日(土)

開催地

六甲道勤労市民センター

概要

本共同研究は、複数の国民国家、政治権力の緩衝地帯、境界地域となってきた地域やそこでの生活を経験した人々、多民族社会における越境者の歴史的経験のダイナミズムと地域社会への多面的インパクトを掘り下げ、一国史や帝国主義史観、支配的語りによる「他者観」を相対化することを目的としている。
今回の研究会では、今後の出版に向けた打合せを行った後(王)、1950年代以降のウガンダ―南スーダン間の人口移動の動態と難民の移動戦略に関する研究報告(村橋)、および、インドネシア人越境者のマレーシアにおけるホストコミュニティの関係に関する研究報告が行われた(加藤)。
村橋の発表に対しては、難民とホスト地域の住民との関係の両義性について具体的なデータの提示と分析に関心が集まった。また、加藤の発表に関しては、越境者をコミュニティで受け入れることのメリットや、ムスリム越境者がクリスチャンのコミュニティで生活することの宗教的な葛藤について関心が集まった。総合討論では、多文化主義や難民支援の枠組みのなかで想定される現象や前提とする概念に対して、ミクロヒストリーの研究がどのような新たな視点を提示することできるのか、また、出版に際して、いかなる読者を対象に議論の方向性を決めるべきかに関して意見交換が行われた。

 

王柳蘭(同志社大学)
「図書出版に関する打合せ」
村橋勲(京都大学)
「難民の移動における社会的条件――家族史から見る南スーダン人の離散と連帯」
加藤裕美(京都大学)
「インドネシア人のマレーシアへの越境と現地家族の形成」
総合討論
*当初の予定から一部変更があった。

村橋勲(京都大学)加藤裕美(京都大学)

 

「ミクロヒストリーから照射する越境・葛藤の共生の動態に関する比較研究」第2回研究会

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